自分で登り自分の目で確かめたい、でも何か後ろめたいような
冬になってしまう前に登れる手頃な良さそうな山はないかなと目星をつけたのが白山、乗鞍岳、御嶽山あたり。ちょっと頑張るくらいの登山を楽しみたいなと考えると、白山か御嶽山ということで、今回は広い山頂部を持つ御嶽山を存分に楽しんでみようと考えました。10年前のちょうどこの季節に噴火災害で登山中の多くの方が亡くなった御嶽山、噴火の後がどうなっているのかを見てみたいという気持ちがありつつ、どこかそれって不謹慎なようでもあり引っかかるような気持ちもありつつ、未だに立ち入りが規制されるような山で怖さも少しあり、色々と複雑な気持ち。
濁河温泉行きたかったけど…
いくつかの登山口を持ち、南北に山頂部が長く広がる霊峰御嶽山。その中でも岐阜県側の濁河温泉側の登山口からの登山であれば、往復後に温泉を楽しめるなと魅力を感じていたものの、御嶽山の剣ヶ峰のお鉢めぐりもこなして戻るとなると、登山口までの移動時間も含めて日帰りが現実的ではなくなるので、今回は長野県王滝村の田ノ原からの登山と決めました。
登山ルートは、田ノ原→王滝頂上→八丁ダルミ→御嶽山剣ヶ峰→二ノ池→賽ノ河原→摩利支天乗越→摩利支天山の往復で軽い休憩も含めてコースタイムは約8時間。田ノ原までの片道の移動時間が約5時間ということもあって、それなりのハードモード。
浜松から遠い登山口
浜松から長野方面へ抜けるには、高速で愛知に出て大回りして長野方面に入るパターンと、下道で最短距離で向かうパターンがあり、今回はいつもとは異なり後者のルートで行ってみました。どちらの道を通っても登山口までは 5時間程度かかるので、この日は深夜1時に出発。


下道の運転はなかなか大変ではあったけれど、登山口の田ノ原付近では朝焼けと見事な雲海を見ることができ、登山口の駐車場からは朝焼けで真っ赤に染まる御嶽山も見ることができて、苦労が吹っ飛びました。
田ノ原→王滝頂上

御嶽山は、富士山、白山と並ぶ日本三大霊峰の一つということもあって、山頂の御嶽神社奥社は今も信仰の山として親しまれているのだそうで、登山口からしてその雰囲気が漂ってます。

登山口である田ノ原がすでに標高2100メートル強あることもあって、明け方の条件次第だと思うけれど、登山口ですでに雲海が見られる状態。標高も高いので登山を始めて割とすぐに森林限界を超えて、視界が開けるので、素晴らしい景色を道中ずっと楽しむことができます。


登山道には所々に仏像や祠があって、信仰の山であることを感じます。王滝村という名前と噴火による火山灰で一面灰色になっていた映像が頭に残っていたこともあって、真っ青な青空と緑の美しいこの風景が広がっていることに不思議な感じも受けました。



噴火の影響もあって登山客は少ないものかと思いきや、かなり多くの登山者が登山を楽しんでいました。一方で、普通この程度の登山道であればヘルメットはしないものですが、おそらく半数くらいの方がヘルメットを被って登山をされていて、自分も含めてだけど自然への畏怖がありつつ自然を楽しむみたいな気持ちを持つ人が多いものだなと思いました。

王滝頂上→八丁ダルミ→御嶽山剣ヶ峰

王滝頂上には、立派な御嶽神社の頂上奥社本宮がありました。この付近で多くの方が亡くなっているということもあり、その方々へのお祈りとこの登山を無事に楽しめるようにとのお祈りをして、神社横から規制緩和されて入れるようになった八丁ダルミへ。


神社横を抜けた先に広がる荒涼とした景色には思わずハッとさせられました。ここに至るまでの景色とは全く別の世界にガラリと切り替わる感じ。神社の裏側にこの景色が突然広がるというのも、その違和感を強烈に感じさせる理由だと思います、まさに何か別の世界に入っていくような錯覚を覚えるような、そんな感じ。

王滝頂上から剣ヶ峰へ至る八丁ダルミは、見ての通り遮るものが何もなく、噴火による噴石や噴煙に巻き込まれたらひとたまりもなかっただろうと想像します。今は、一応数十人くらい入れそうなシェルターが作られているものの(山頂下あたりに濃い茶色に写っているのと、右側のモニュメントの裏に少しだけ写っているアーチ型のもの)、八丁ダルミのあちこちに「足早に通り過ぎること」と書かれているように、ここは正直ちょっと怖かった。


そんなわけで、急いで剣ヶ峰へ。剣ヶ峰直下には災害慰霊碑や真新しい避難シェルターが設置されていました。慰霊碑の前で長く祈りを捧げている方もいて、改めて当時のことを自分も思い出していました。


御嶽山は 3067メートルの高さがありつつも、周りの他の高峰がない独立峰ということもあって、山頂からの眺めは素晴らしかったです。ただ、おそらく噴火によって一変してしまったと思われるのが二ノ池で、以前あったエメラルドグリーンの池は完全に消滅してしまっているようでした。
二ノ池→賽ノ河原→摩利支天山


登山ガイドブックに確かエメラルドグリーンの美しい池の写真があったよな、それが二ノ池だったよなというのが頭にあったので、その地名があれど池が見つからないのを不思議に感じていました。が、二ノ池山荘まで降りてきて感じたのは、おそらく火山灰で埋まってしまって水が干上がってしまったということ。帰ってから調べると、どうもつい最近完全に干上がってしまったようです。


二ノ池をすぎると、平坦な場所に小さなケルンのように石が積み上げられた場所がいくつもある賽ノ河原へ。写真だと広がりがあまり感じられませんが、広大なエリアでちょっと異様な雰囲気が漂っています。その先にある鎮国神社も暗い時間帯には近寄りたくないなぁという雰囲気が…


岩山をトラバースしながら山頂に近づく摩利支天山への道。望遠で見ていると、ナイフリッジのような山頂に人がいるけど、随分と狭そう。ここまでの道に比べると狭く険しいためか、剣ヶ峰に比べると登山者の数は全然少ない。


摩利支天山の山頂はとても狭くて、2-3人もいるとちょっとキツイなと感じる場所。恐る恐る山頂に立ち、賽ノ河原を下に眺めてその向こうに剣ヶ峰が堂々とそびえる景色を眺めましたが、なかなかのものでした。

摩利支天山から摩利支天乗越へ。ここから、左に曲がって飛騨頂上を経由して濁河温泉に降りて温泉に入れたら最高だよなぁと思いつつ、車があるので泣く泣く来た道を二ノ池まで戻り、そこからは剣ヶ峰には登らずトラバース道を通って王滝頂上へ行き、田ノ原まで下山。8時間弱の登山を満喫し、その後はおんたけ高原温泉のこもれびの湯に立ち寄ってから浜松に戻りました。

噴火の怖さ、霊山の雰囲気など普段の登山とはちょっと違った雰囲気を感じた登山でした。


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