山小屋あるある…
朝4時過ぎ、4:30 からの朝ごはんのために寝床で登山用の服に着替えて準備。気温 -2度寒い、さらに快晴の予想だったのに夜には雪が降ってたみたい。にしても、すっきりしない…イビキで何度も起こされて寝られなかったのだ。山小屋あるあるなのに、耳栓を忘れてた。そういや、先日 BOSE の Sleepbuds II が安いよってメールが来て買ってみようかなって思ったのは、きっと買えって啓示だったんだな…(いま、書きながら買うか悩んでるw)

普段朝は(重いの嫌なので)炭水化物を取らないんだけど、山登りとなればしっかり食べとかないと途中でへばるのは目に見えているのでしっかり。ふっくらと焼き上がった焼き魚がやたらと美味しいし、熱いお味噌汁がぼやっとした頭をスッキリしてくれる感じ。
五合目までは樹林帯の中

5:30 頃に山小屋を出発、夜に雪は降っていたものの快晴!五合目まではシラビソなどの樹林帯をジグザグに進みながら登っていく感じ。昨夜の宿の主人の説明だと雪は六合目からということだったけど、三合目にしてすでにアイゼンが必要な状況。

五合目の大滝頭、ここまで約2時間。昨日のバスターミナルで見た通り、たしかに馬の背に抜ける藪沢のトラバースルートは閉鎖されている。
小仙丈ヶ岳が遠い…

五合目を抜けてしばらくすると森林限界を抜けて一面真っ白な雪の世界へ。振り返ると背後には甲斐駒ヶ岳のダイナミックな山容が目に飛び込んでくる、いやー素晴らしい眺望。

この日は空気も澄んでいて、槍ヶ岳を含む北アルプスの山々も綺麗に見ることが出来た。六合目以降は、あまりの絶景に目を奪われては立ち止まり写真を撮り…なんてことをやってて中々進まない。

中々進まないのは景色が素晴らしいからだけではなく、小仙丈ヶ岳に向かう壁のような急登がきつく、何度も足を止めることになったから。写真だとなかなか伝わらないけど、ピッケル使いながら一歩一歩確実に歩を進める必要がある程度に急な坂道がひたすら続いて正直しんどい。

でも、そんな中ふと視線を左に向けると日本の山の標高ナンバー1の富士山と標高ナンバー2の北岳がその美しい姿を見せてくれる。富士山って見えるとなんでこんなに嬉しくなるんだろうって思いながら、黙々と登っていく。

標高 2855メートルの小仙丈ヶ岳にようやく到着、いやー大変だった。さっきまで背後にデーンとそびえていた甲斐駒ヶ岳が少し小さく見えるくらいには登ってきたということだ。

一方で、正面には仙丈ヶ岳と雪をたたえた美しいカールが目に飛び込んでくる。このピークでの360度の眺望は本当に素晴らしくて、この日は風もあまりなくずっと滞在して眺めていたい気持ちに。
ドキドキの稜線歩きを超えて仙丈ヶ岳山頂へ

小仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳へは稜線歩き。雪庇は無いもののどちらかが切れ落ちている場所が多くて、それなりに緊張を強いられながら進む。素晴らしい景色が周りに広がっているので、思わず身体の向きを変えたり視線をあちこちに動かしたくなるけど、それはある程度の広さの足元が確保出来ている場所でだけにしないと危ない。

この日の登山者は少なくて、確認できた感じで10人強って感じだった。それでも、前方にも後方にも歩いている人がいるっていうのは、気持ち的にはどこか安心できるところはある。

春の雪山で厄介なのはこういう岩場が時々あること。12本爪のアイゼンをはいていると、こういう岩場は本当に歩きづらくて、転ばないようにとかなり気を使う。

仙丈ヶ岳に向かっては、左側にも右側にもカールがあるのだけれど、そのどちらもスキーで滑ったら気持ちよさそう。実際、右側のカールの下には仙丈小屋があって、小屋のご主人によるとスキーを担いで登ってスキーをすることがあるのだそう。小仙丈ヶ岳までも含めて、スキーを担いで登るのは相当しんどそうだけど、気持ちが良いのは間違いないだろうな。

その右側のカールは、少し斜度が緩やか。この下に仙丈小屋がある。

山頂を目の前にして、最も緊張を強いられたのがこの両側に切れ落ちた稜線。右側に足跡が続いているけど、その右側の斜面も結構えげつない角度になっていて、落ちたらどこまでも落ちてしまいそうな感じでドキドキ。あまりよそ見をせず、自分の足元と正面だけを見ながら慎重に歩を進める。登山者が少なくてほんと良かった。

振り返って見る。渡りきって思うが、やはり相当怖い。ちょうど渡ろうとしている人も逡巡しているように見えるけど、気持ちよく分かる。正直帰りここをもう一度通るのかと思うと、ゾクッとする。

強いていうなら、皆が歩いている「右側」のカールの下には仙丈小屋があって、落っこちたらただではすまないだろうけど、それでも小屋には行けそうという変な安心感があったのも事実。この小屋は、今回お世話になったこもれび山荘のご主人が面倒を見ているそう。

仙丈ヶ岳山頂にようやく到着、いやー遠かったし、久しぶりに相当緊張を味わった。今日は風もなくて、寒さを感じるほどでもないし、人も少ないしということで、パンやソーセージなどを頬張りながら 360度の絶景を楽しんだ。

山頂からは、仙丈ヶ岳のカール、小仙丈ヶ岳、その向こうに甲斐駒ヶ岳を見ながらの帰り道となる。正直かなりの急坂の上りだったので、下りが心配だったけど、雪はわりと硬めを保っていたこともあって、アイゼンの爪を効かせてザクザクと降りていくことは比較的容易ではあった。
例の切れ落ちた稜線を渡りきり、小仙丈ヶ岳の山頂でのんびりしていると、別の登山者が「後は命の危険を感じるような場所もなく落ち着いて降りることが出来ますね」と話をしてくたけど、本当にそう。とはいえ、3時間強の雪山の下りは楽というわけでもなく、だいぶ膝と腿に負担がかかった感じ。コレは、明日以降の筋肉痛がヤバそうだ。
というわけで、春の雪山登山となった仙丈ヶ岳は久しぶりの緊張感と絶景を楽しめた最高の山行となりました。


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