スウェーデンの友人が6月から7月にかけての約1ヶ月、日本に遊びに来るよというので一緒に富士登山をしたのだけれど、彼らはその登山の前に奈良井宿から藪原宿の中山道を歩いて本当に良かったと話してくれました。
ん?奈良井宿はともかくとして藪原宿?しかも中山道を歩いた?
と気になっていました。人混みがあまり好きでは無い彼らのことなので、その点では日本人である自分ですら藪原宿ってどこ?って感じでハイキングを思いつきもしないような場所なので、きっと楽しめたんだろうと思うのだけれど、彼らはどうやってその情報にたどり着いたんだろうとか、何が気に入ったんだろうっていうのが気になったので、それなら実際に行って歩いてみよう(でも都合で藪原宿から奈良井宿へ登っていこう)と思いました 笑。

藪原宿から奈良井宿へ向かうには鳥居峠という峠を超える必要があり、この峠越えを含むこの区間は中山道の木曽路の中では最も大変な道なのだとか。とはいえ、道はしっかりと整備されていて峠を越えて約6キロ強の道は初心者でも十分歩けると思います。


この日は本当に暑い日だったのですが、藪原宿から鳥居峠の山道へ至る途中にはニカ所清水が湧き出している場所があって、冷たい水で火照った顔や腕を冷やすことができてとてもありがたかったです。

藪原宿から歩くことしばらく、ようやく木々に覆われた山道に入ります。石畳の道が続いていて、街道の歴史を感じます。入口にあった看板には、熊が出ると書いてあってちょっとおっかなビックリ。街道を歩くだけという気持ちだったので、熊鈴は持ち歩いてなかったんですよね…


鳥居峠は、海抜1197メートルの峠で、木曽川と奈良井川の分水嶺をなす地点になっている場所。木曽義元がこの峠から御嶽山(御岳権現)を遥拝して、小笠原市との戦いにおける戦勝を祈願し勝利したことから、ここに鳥居を建立したことで、それ以降鳥居峠と呼ばれるようになったのだとか。
熊鈴は持ち歩いていなかったのですが、道中数か所に写真のような熊除けの鐘があったのでありがたく鳴らしながら進みました。

藪原宿から奈良井宿へと抜ける道は、あまり眺望の良い場所はないのですが、最初に視界が開ける場所では出発地の藪原宿を一望できました。


御嶽神社のそばにある御岳手洗水鉢、あまりの暑さに体力を奪われていたところで体を冷やすことができて生き返りました。暑い時期の低山登山やハイキングは本当に注意が必要…



木々が鬱蒼と茂っていて、御嶽山を遥拝することは全くできないのですが、その場所には御嶽神社がひっそりと立っていて、ちょっとヒヤッとするような感じがありました。


写真では大きさが伝わりにくいですが、鳥居峠にはかなり大きなトチノキが何本もあって、この近辺だけここまでの森とは雰囲気が異なっていました。自分にはトチノキは神社とか人里にあるというイメージがあって、こういう自然の山で群生しているというのは初めて見た気がします。



道中に多くある石仏や石碑も興味深いものが多かったです。最後の石碑には「中山道 上る 鳥居峠 下る 奈良井宿」と書かれているようです。

眺望の良い場所があまり無いと書きましたが、もう一か所眺望の良い場所があって、奈良井宿を一望できます。鳥居峠を越えてもうあとちょっとというところでこの眺めが見えるので、街道を行く昔の人達もこの風景を見てホッとしたのかもなと思ったりしました。


ようやく奈良井宿に到着、奈良井宿の西の端っこにある鎮神社からは見覚えのある奈良井宿の光景が広がって、やっと到着したという感じで一安心。
さて、きっかけとなった疑問、スウェーデンの友人がなぜこのルートを歩こうと思ったのか…についてですが、実際に歩いてみたことで感じたのは
- 観光客がほとんどこのルートを歩いておらず、静かに歴史ある街道を歩くことができること
- 奈良井宿から藪原宿への下りは、6キロ弱のハイキングで峠を超えるとはいえ安全にハイキングができること
- 外国人観光客が多い奈良井宿と比べると、知名度が低い藪原宿も見ることができて、観光地化されていない宿場町も合わせて見ることができること
ということでした。こういうところに興味を持ってくれることは、日本に住んでいるものとして嬉しいなと感じます。


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