タージ・マハルと合わせて…
週末を挟むインド出張、せっかくの機会ということで仕事が入っていなかった日曜日にタージ・マハルに行く手配をしてくれました。訪ねてみたいけど、行くことは無いかなと思っていた場所だけにとても嬉しくて、久しぶりに地球の歩き方を引っ張り出してタージ・マハルのページを見てみた。すると、タージマハルがあるアーグラーには、ある意味タージマハルとセットで観光するのが普通と思われるアーグラー城と、さらにその郊外にはファテープル・シークリーという 2つの世界遺産があることを発見。
猛烈な暑さの中での見学は厳しいということで早朝の出発。そこで、タージ・マハル以外の2か所の世界遺産のことを聞いてみると、猛烈な暑ささえ何とかなればタージマハルともう一箇所は確実に行けるよとのこと。タージ・マハルの見学後にどっちに行くか決めようということに。
タージ・マハル
タージ・マハルどこ?

駐車場に車を止め外に出ると、外国人(というか日本人)の自分を認めたガイドたちがハエがたかるように集まってくる 笑。幸いインド人の同僚が一緒にいてくれたおかげで、国のライセンスを受けた割と落ち着いた感じのガイドをうまく捕まえてくれて交渉成立(ガイドも交渉が必要…)。電動のカートに乗って入口へ。ボディチェックがめちゃくちゃ厳しくて、基本的に荷物は持って入れない。キーホルダーに付いていたホイッスルがダメって言われて、それがキーホルダーからうまく取れなくってちょっと一悶着…。

写真で知っているタージ・マハルは相当な大きさだと思うのだけれど、既に敷地内に入っているというのに一向にあの白い大理石の建物はちらりとすら姿が見えないのが不思議。写真の左右の建物の美しいアーチは、中央アジアのティムール朝の建築様式を受け継ぐもので、インドが様々な文化から影響を受けていることがよく分かる。
赤砂岩の立派な正門

タージ・マハルの敷地へは東・西・南の3か所の入口があり、そこから歩くとこの立派な正門が目の前に。正門の上には小さな玉ねぎのようなものが手前と奥にそれぞれ11個あり、ガイドによるとこれはタージ・マハルの建築に要した22年を表しているのだそう。

この正門をくぐると初めて真っ白で荘厳なタージ・マハルが初めて見えてくるのですが、この瞬間はまさに鳥肌モノでした。距離感が全く狂ってしまうとても不思議な感じです。
まさか実際に目にすることができるとは…

一度は見てみたいとは思っていたものの、その機会はまず無いだろうと思っていた世界遺産の一つだったタージ・マハルが目の前にあるというのが、本当に不思議な感じで感動しました。

タージ・マハルは300メートル四方の美しい庭園の中にあって、赤砂岩の建物と濃い緑の木々が美しく、インドの皆さんが来ているカラフルなサリーのコントラストがまたなんとも言えず美しくいい雰囲気です。

タージ・マハルで驚くのは、このカリグラフィー。よく見ると黒い大理石を白い大理石に象嵌して作られている…この曲線も直線も全く驚くほどの精度で描かれている。


建物には様々な装飾が施されていて、その一つ一つがとても丁寧で美しく、これを建てたムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンがその妃のためにという想いが伝わってくるような感じすらする。


タージ・マハルは、正門から入って正面に見た姿が左右対称であるという印象が強いと思うのだけれど、実際は左右対称というだけでなく、多少の違いはあるかもしれないけど、東西南北どの方角から見ても基本同じように見えるので、見た目以上に大きな建物でもある。実際、タージ・マハルが建てられている基壇の大きさは 95メートル四方あって、高さは67メートル、四隅の塔の高さは43メートルととにかく圧倒される大きさ。


敷地内のモスクも非常に立派で、これは昨日見たフマユーン廟とそっくり。一通り見たところで、インド人の同僚は「本当に今日はラッキーだよ」と。写真の通り微妙に曇っていて時折雨も降っていたのですが、そのお陰で湿気はともかく気温は十分耐えられる程度で、ゆっくり歩いて見ることが出来たとのこと。雨季に入る前の猛烈な暑さの時期だと、とてもゆっくり歩いて見るなんてことは出来ないのだとか…
アーグラー城
真っ赤なアーグラー城へ

円安の日本でも議論が出ている外国人観光客と日本人観光客の入場料を分けるという話。インドでは、少なくとも今回訪ねた場所はすべて10倍近い差がありました。インド国内の貧富の差もめちゃくちゃ激しいということなので、ある意味当たり前のことなのかもしれません。

アーグラー城は、シャー・ジャハーンの祖父にあたるアクバル帝が 1565年に築いた城。赤砂岩の堂々とした城壁の中には、緑の芝生の広場に宮殿があり、リスやトカゲが走り回っていてその対比がちょっと不思議な感じ。


チケット売り場があるアマル・スィン門を抜けるとすぐに見えてくるのが、美しいジャハーンギール宮殿。芝生の緑と赤砂岩の赤色の対比が美しい、きっと晴れて真っ青な空が広がったら更にコントラストが際立って美しいだろうな。



ジャハーンギール宮殿の内部にはかなり細かな彫刻による装飾が施されるだけでなく、房型の不思議な装飾があったり、蓮の花の装飾があったりと中々面白い。また、宮殿の門には六芒星があり、アラブ・ペルシャの影響も強く受けている様子がよく分かる。
貴賓謁見の間 Diwan-i-Khas



赤い重厚な城の中に、このように美しい間があるのがちょっと不思議な感じ。3枚目の写真に見えるカラフルな石は宝石で、携帯のライトを当てると透けて光るのがわかる。故に手前の部分の宝石はだいぶ外されちゃってる…
またガイドは、壁の一部を叩くので音を聞いてみろと言う。どうも壁の中が空洞のようで、ここに水を流すことで涼しく過ごせるように工夫をしていたのだそうだ。
シャー・ジャハーンが幽閉された囚われの塔

自分以外の兄弟に権限が渡されることを危惧した三男が、兄弟を殺害し親であるシャー・ジャハーンを幽閉したのがここ。シャー・ジャハーンは愛する妃が眠るタージ・マハルを遠くに眺めながら8年幽閉されて 74歳で息を引き取ったのだそう。

そのシャー・ジャハーンは、ヤムナー河に向かい合う形で(写真で言うと左側に)黒い大理石の自分の墓を建てて、ヤムナー河にその二つの墓を結ぶ橋まで建築しようとしていたというから途方もない…財政が一気に傾いたというのはよく分かる。

この城には多くの妃がいて、この中庭が美しい場所はハーレムだったのだとか。
真珠のモスク


その多くの妃たちのために作られたのがこの真っ白な真珠のモスク。可愛らしいドームがちょこんと乗った小さくとても美しいモスクで、観光客は靴を脱いで中に入る。
一般謁見の間 Diwan-i-Am

美しいアーチで構成される一般謁見の間は、アクバル帝ではなくシャー・ジャハーンが造ったもので、規則正しく配置された柱とアーチで構成される間。これの中央奥に王である自分が立つことで、視覚的な効果も狙っていそうな雰囲気。

ファテープル・シークリー
一般謁見の間 Diwan-i-Am と 貴賓謁見の間 Diwan-i-Khas

ファテープル・シークリーは、アーグラー中心部から約40キロ離れた郊外にあるアクバル帝が造った城跡。壮大な建築群が作られたにもかかわらず、たった14年でその役割を終えたため、多くの建物があまり使われることもなく美しく残っているのがここファテープル・シークリー。
タージ・マハル、アーグラー城もそうだったように緑が美しい中庭がある回廊で囲まれた場所に一般謁見の間があり、当時の一般民衆はここで皇帝と謁見したのだそう。


貴賓謁見の間は、吹き抜けになっていてその中央には房状の装飾が施された柱が立っていて、この柱を中心に四方に橋が伸びていることで、柱の上に行ける構造になっているよう。また、柱には下段から順に異なる文様の彫刻が施されていてこれも美しい。
五層閣 パンチ・マハル

一般謁見の間から様々な建物がある敷地に入り込むとまず目をみはるのが、この列状の柱で支えられた五層の建物 パンチ・マハル。良くこんな建物がしっかりと残っているものだと感心するような構造。下層の柱のデザインはすべて異なるなど、かなり凝ったデザインの建物という印象。


敷地内のどの建物であったかは忘れてしまったけれど、非常に精緻な彫刻や透かし彫りが施された部屋があったのがとても印象的で、この建物を囲む柱にはぶどうを始め、様々な果物等の彫刻も施されていて強く印象に残っています。
ジョド・バーイー殿



宮廷地区の居住区にもなっているジョド・バーイー殿。ここは、アクバル帝とその妃の住まいであったと言われていて、ここにも房型の装飾や細かな彫刻が。
モスク地区への入口 ブランド門


宮廷地区からの直接の入口では無いが、広大なモスク地区への入口になっているのがブランド門。54メートルもの高さのある門で赤砂岩に白い大理石がはめ込まれた構造になっていて堂々としつつも非常に美しい門。モスク地区なので、観光客も含めて裸足。

モスク地区の中から見たブランド門は、門と言うよりはむしろそれ自体が城のよう、巨大で荘厳。
祈りの場 サリーム・チシュティー廟

ガイドがしきりに3つの願いを叶えるために一本の紐を結びつけるのだ、みたいな話をした後で連れてこられたのがここ。どうも話を聞くと、この装飾の入った布と生花と一本の紐をここで買って、白い大理石のモスクかお墓でお祈りをするのだと。家族のための布が 5000ルピー、友達のための布が 3000ルピー、自分のための布が 2000ルピーみたいな感じで迫ってくる。要らないと断ると凄い形相で迫ってくるので、仕方なく購入…

その後連れてこられたのがここ。よく見ると非常に精緻で美しい透かし彫りが施された壁が美しい。中に入ると、まず白いプラスチックで出来た帽子のようなものを渡されてまずそれを頭に被る。祈りの場になっているようだったので写真は控えたのですが、中には先ほど購入した布を何重にもかぶせた場所があって、自分もそこに布をかぶせて生花を飾り、その後透し彫りされた場所に3つの願いをかけながら紐を結びつけるということをやりました。透かし彫りの壁の向こうには景色が透けて見えて大変美しい場所で、半ば強引ではあったもののここに入れたことはとても良かったです。
イスラーム・カーン廟

モスク地区には、サリーム・チシュティー廟の他にもう一つ大きなお墓であるイスラム・カーン廟があり、これらが並んで建てられていて、色やデザインが対照的で面白い。

デジタル技術が凄い勢いで浸透しているインドでも、一方でなんでこの人が必要なんだろうみたいな仕事をしている人がたくさんいて、常にチップが必要でなかなかに面倒だなぁというのも。ガイドもそうだけれど、みなめちゃくちゃガメついんだけど、このあたりもそんなもんだとあしらえたり、むしろそういうのを楽しめたりするとインドの旅行は楽しくなりそう。



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